土地の代替性とは?所有地の取り扱いや手続上の注意点まとめ

現在の画像に代替テキストがありません。ファイル名: 22477064-scaled.jpg

農地転用の申請では「なぜこの土地でなければならないのか」と、代替性の有無を問われるケースがあります。
この場合、どうしてもその土地でなければならない理由を、代替地になり得る複数の候補との比較検討から説明する必要があります。
本記事では、土地の代替性の基本概要から、所有地の取り扱い、手続上の注意点を整理して説明します。

土地の代替性とは

土地の代替性とは、農地の転用申請に際して、同じ目的で使える別の土地があるかどうかのことです。
別の土地でも目的が達せられるのであれば「代替性がある」、その土地でなければ目的が達せられなければ「代替性がない」ということになります。

三種農地以外の転用は代替性が審査対象になる

農地転用許可の審査における、区分別の概要と農地転用の可否は以下の通りです。

 概要地転用の可否
農振農用地区域内農地農振法に基づく農業振興地域内の農地原則不許可
甲種農地市街化調整区域内にある良好な生産条件の農地原則不許可(例外あり)
一種農地良好な営農条件を持つ農地原則不許可(例外あり)
二種農地市街地化の傾向がある区域に近接する農地代替可能性が審査される
三種農地市街地内や周辺の農地原則許可

一種農地と甲種農地は代替性以外の要件が重視される

一種農地や甲種農地においては、事業の公益性や特別な事情の有無が重視されます。
そのため、許可事由に該当しないと判断された場合、代替可能性がなくても転用が認められることはほとんどありません。

二種農地は代替可能性が重視される

二種農地の審査では、土地の代替性が重要な審査対象となります。
具体的には、周辺に立地・面積・利用条件の観点で「申請地以外で代替性がある土地があるかどうか」が問題です。
農地以外で代替性のある土地が周辺に認められる場合は、農地転用が認められない可能性が高くなります。

二種農地は代替可能性が重視される

三種農地では、土地の代替性が求められることはありません。
しかし、申請地の周囲に農地がある場合は、転用を実施したことにより周囲の農地に悪影響が及ぶことがないよう、防除計画を立てることが求められます。

自分で所有している農地でも代替性は必要?

農地法は全ての農地に適用されるため、「自分の土地だから」という理由で自由に転用できることはありません。
所有者自身による農地転用も、農地法第4条に基づき、区分や必要性、周辺の利用状況等を踏まえて都道府県からの許可を受ける必要があります。
そのため、自分で所有している農地の転用の許可申請であっても、他の土地の購入や賃貸を前提として、代替性を検討する必要があります。

手続上の注意点

農地転用の手続では、代替性のある土地がないと明確に示すことが重要です。
ここでは、円滑に手続を進めるために押さえておきたい注意点を順序別に説明します。

代替地は原則農地以外の土地で検討する

代替性のある土地の有無を調査する際には、申請地と同じ農地だけではなく、原則として農地以外の土地を対象にすることが重要です。
「申請に係る事業目的を達成できる他の土地があるか」という観点において、宅地や雑種地なども候補に挙げるように求められています。

面積や立地条件が類似する代替地の複数候補を比較する

代替地は、その面積や立地、利用状況などの条件が申請地と類似しているかが重要です。
条件が類似する複数の候補地を比較することで、申請地以外の土地では目的を達成できない理由を客観的に証明できます。
自治体によっては代替地の比較検討表の提出を求める場合もあり、手続の段階で入念に資料作成することが手続の円滑化につながります。

代替が困難な理由を書類上で明記する

複数の代替地の候補を比較し、申請地でなければならない理由を明確に記載します。

  • 地権者の承諾が得られない
  • 地形的に便宜が悪い
  • 周辺環境やインフラが足りていない など

単に「面積が足りない」という理由では、そもそも検討の俎上に乗らないとして弾かれることが多いので、気を付けたいところです。
より具体的な比較結果を提示して、申請地がベストであることをアピールすることが重要です。

まとめ

土地の代替性は、農地転用の可否を左右する重要な判断材料です。
農地区分や代替性の有無の確認、複数の候補となる代替地との比較を行うなど、丁寧に事前準備を進めるようにしてください。