遺言書作りにも「根回し」が肝心

 先のページでも述べた通り、「遺産を相続できる最低限度の割合」である遺留分を受け取る権利は、民法第1042条に規定されています。したがって、たとえお亡くなりになった方が法的に有効な遺言書を残していたとしても、その内容が一部の相続人の遺留分を侵害するもので、その相続人が「私の遺留分を支払って!」と主張すれば(遺留分侵害額請求権、と言います。民法第1046条第1項)、遺言書通りに遺産相続を進めることは非常に困難になります。
 遺族間の険悪な争いに発展しかねないような事態を回避するためには、相続が始まる前、すなわち遺言書の作成を検討されている方がご存命のうちから、親族同士が連絡を取り合い、仲の良い関係を築き維持することが欠かせません。また、相続財産の配分に特別な理由がある場合は、そのことを親族間できちんと共有し合うことも極めて重要です。自らの想いを込めて遺言書をしたためることと並行して、残される家族の円満な相続のために、お盆・正月など節目や記念日を理由にして地道な「根回し終活」に取り組んでみてはいかがでしょうか。