農地の相続は届出を忘れずに!

 先のコラムで、農地の権利移動には「一定の例外を除いて行政庁の許可または届出が必要」と書きましたが、許可が要らないケースで最も多いものが、相続による所有権の承継取得(法人の合併や分割によるものを含む)です。農地は、我が国の農業の基盤として守らなくてはならないものですが、それ以前に、憲法が第29条で保障している大切な私的財産でもあるので、自然人の相続や法人の合併・分割を原因とする所有権の承継には行政庁の制約を挟む余地はない、という訳です。
 ただし、近年では、農地の所有権者を明確にすることで農地の適正かつ効率的な利用を促進するべく、上記のような農地の承継取得があったときには農業委員会への届出が求められるようになりました(農地法第3条の3)。農地を承継取得した日から概ね10カ月以内にこの届出をしなかった場合、あるいは虚偽の届出をした場合には、10万円以下の過料に処されてしまいます(農地法第69条、届出期間については平成 12 年6月1日 12 構改B第 404 号農林水産事務次官通知 第5(2))。