「農地を守りたい地域」の農地転用

 市街化区域では、農地転用の手続きは管轄農業委員会への「届出書」の提出で足ります。一方、市街化区域以外(市街化調整区域、未線引き区域および都市計画外区域)にある農地を転用する場合には、事前に都道府県知事(一定面積以上の土地については農林水産大臣)の許可を得るための「許可申請」手続きを行わなければなりません。
 前述のように、農地は農地法によってその使用や処分に制限が加えられていることから、行政庁から転用の許可を得るためには、土地の選定理由や、転用目的を達成するための綿密な事業計画と資金計画、周囲の農地に影響を及ぼさないための対策などを申請書類で詳細に説明する必要があります。申請書類一式を揃えて提出した後は、月に一度行われる管轄農業委員会の審査を経て、行政庁からの許可を受ける、という流れになるため、農地転用の許可申請手続きは着手から完了まで少なくとも1ヶ月半~2ヶ月程度かかるものと考えておきましょう。